みなさん、こんにちは
昨日、15日(日)に旭川市市民活動交流センターCoCoDeで開催された
「大雪山国立公園指定90周年記念フォーラム」へ参加してきました。
第一部「大雪山の自然環境」
基調講演「大雪山の自然環境の価値」
(北海道大学大学院地球環境科学研究院教授 渡邉悌二氏)
話題提供「ナキウサギ」
(福山市立大学都市経営学部教授 澤田結基氏)
第二部「質の高い利用・体験」
講演「国立公園90周年の利用と歴史」
(北海道大学大学院農学研究院教授 愛甲哲也氏)
対談「山岳と山麓をつなぐ」
登壇者:北海道大学大学院農学研究院教授 愛甲哲也氏
株式会社りんゆう観光代表取締役社長 植田拓史氏
黒岳ロープウェイの運営をしているりんゆう観光さんの社長さんと愛甲先生による対談。
りんゆう観光さんは札幌発着で毎年ガイドツアーも行っていて、雨竜沼ツアーも毎年組んでいただいています。
黒岳ロープウェイ乗り場でのグッズ販売やインスタ運営は、現場にいる人たちが見て・感じたものをしっかり発信できるようしていきたいとのこと。おそらく地方から移住してきたが多いでしょうが、やはり地元民からしたら、違和感とか気づけなくなってしまいます。現場にいるからこそ、こういうことを届けたい、こういうものを置いたら良いのではないか?と試行錯誤して実施しているそうです。
パネルディスカッション「山麓からみたこれからの利用」
パネリスト:株式会社りんゆう観光代表取締役社長 植田拓史氏
ひがし大雪自然館(上士幌町商工観光課) 須田修氏
一般社団法人大雪カムイミンタラDMO 平山千尋氏
司会進行:北海道大学大学院国際広報・メディア観光学院 客員教授 木村宏氏
取りまとめる窓口が必要だと仰っていました。
第三部「100周年に向けた国立公園の管理運営」
今昔アーカイブ写真展上映会
パネルディスカッション「100周年に向けた国立公園の管理運営」
パネリスト:北海道大学大学院地球環境科学研究院教授 渡邉悌二氏
北星学園大学文学部准教授 トムソンロバート氏
上川町産業経済課課長補佐 工藤将貴氏
山樂舎BEAR代表 佐久間弘氏
司会進行:北海道大学大学院農学研究院教授 愛甲哲也氏
上川町は黒岳や高原沼を始め、山の管理が多いようで、今回はそのうちの一つ白雲岳の事例紹介がありました。
この白雲岳の登山整備委託料だけで、今年は180万円見込み…。
協力金や寄付金で240万円の見込みがあるようですが、実際他にも費用はかかるし
作業量を考えるともう少し整備に対する金額は上げたいそうです。
登山道整備は、お金のかかることだと理解して、予算を組んでいただきたいですね。
パネルディスカッションの中でも、印象に残ったのが、ロバート・トムソンさんのお話。
ニュージーランドの国立公園は、土地の所有者も政府自然保護省ということもあり、日本のようにしがらみなく、検討・施工できるとのことで、ブランディングを統一できているそうです。
ブランディングとは何かというと、登山道を商品としてパッケージ化して売り込むことで情報を伝わりやすくしたり、看板を統一して「国立公園内にいる」という感覚にさせたりすること。
これに絡んだ話題で、ロバートさんとしては「協力金制度を卒業してほしい」と仰いました。
どういうことかというと、ニュージーランドでは自然体験した対価として縦走するときはお金を1万も2万も支払うんだそうです。徴収金の内訳としては、もちろん、公園を整備・管理するお金も含まれています。
世界の流れから見ても、日本も登山整備のためのお金としてではなく、エクスペリエンス・エコノミー(経験経済)の考え方へ昇格してほしい。と仰っていました。
「Experience Economy(エクスペリエンス・エコノミー)」とは、商品やサービスがどのように人々の生活に影響を及ぼすのかという点が強調され、それらが経験・体験として販売される経済のこと。
HokkaidoWilds.org
ロバート・トムソンさんが運営する海外旅行者向けアウトドアサイト「HokkaidoWilds.org」
北海道内でアウトドアアクティビティが楽しめるスポットを4つに分けて紹介しています。
「スキー:157か所」「サイクリング:42か所」「ハイキング:90か所」「パドル:83か所」
それぞれかなりのポイント数があり、それぞれがしっかり訪れた上での紹介をしていて、情報量はかなり多いですね。
雨竜沼湿原もしっかり紹介されていました。
2020年時のものなので、一部情報は古いですが、インバウンドの方はぜひ参考にしていただきたいですね。
最後に
大雪山国立公園は、日本国内においても知名度・人気度ともに上位の公園だと思います。
国立公園のため、環境省直轄であること+関係自治体も多いため、ひとつになれば、さらに盛り上がると思いました。
それに比べ、雨竜沼も属する暑寒別天売焼尻国定公園は、北海道振興局管轄であることと+予算がさらに限られていることに加え、石狩市から焼尻島まで縦に長く、その長さは141kmあります。
そういうこともあってか、関係団体一丸となって一緒に催しをやってきた感じはありません。
来年8月1日で、暑寒別天売焼尻国定公園となって35年が経ちます。
何かお互いが協力し合って価値を高めあうことができたら良いのですが…。
今回のフォーラムですが、YouTubeにてライブ配信行っていたようで、アーカイブがありました。
参加できなかった方、こちらをご覧ください。